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ルポ:ニュージーランドの果樹園労働について(5)

 二時間も経つと、働いている誰もが腕を上げられなくなる。そんな時はひたすら、コリーが「スモーコ!」と叫ぶのを待った。スモーコはオセアニア地方の俗語で、煙草一服分の休憩を意味する。仕事は昼食の一時間を含めて夕方四時まで続いた。終われば僕らはまた狭い車に揺られて、そのままホステルへと戻っていった。どれだけ疲れて帰っても、自分で夕食を作らないといけないのが何より耐えがたかった。翌朝のために食べ残しをとっておいたのに、ねずみに食べられてしまったこともあった。痛みが体の節々に残り、切り傷やあざは絶えなかった。それでも会社側から保険加入・傷害補償などの確認はなかった。ただ初日に、納税番号の聞き取りが行われただけだった。仕事は週五日から六日続き、賃金は法定時給の最低値、一三・五ドルしかもらえなかった。
 

 このドルはニュージーランド・ドルで、日本円に直せば十月三日現在、約一〇九四円だ。ここから二十パーセントの税金が引かれ、手もとに残るのは約八七五円。それが八時間なので、日給は七千円弱となる。僕らは週末になると、稼いだ金の一部を町にある「ロクソル」というバーで使った。僕らが飲むビールは一杯三ドルぐらいだったから、それは大きな楽しみだった。
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都内某W稲D大学三年生 
(ジャーナリズム専攻)

好きなもの:ヘミングウェイ
嫌いなもの:なし

略歴:T県の田舎町に生まれる。親は離婚。大学進学で上京。アメリカの新聞社で就労経験。

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